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Category: Novels

何處へ

何處へ (四十一年一月―四月 早稻田文學)…………………一 玉突屋 (同 年一月 太 陽)………………………一三五 六號記事(同 年一月 文章世界)………………………一四三 彼の一日(同 年三月 趣 味)………………………一五九 五月幟 (同 年三月 中央公論)………………………一七三 村 塾 (同 年四月 中央公論)………………………二〇五 空想家 (四十年十 月 太 陽)………………………二二一 株 虹 (同 年十二月 新思潮)………………………二六九 凄い眼 (四十一年八月 太 陽)………………………二九一 世間並 (同 年七月 趣 味)……...

试读(第一章节选)

Produced by Sachiko Hill and Kaoru Tanaka Title: 何處へ (Dokoe) Author: 正宗白鳥 (Hakucho Masamune) Language: Japanese Charactersetencoding: UTF-8 Produced by Sachiko Hill and Kaoru Tanaka. (This file was produced from images generously made available by Kindai Digital Library) Notes on the signs in the text 《...》 shows ruby (short runs of text alongside the base text to indicate pronunciation). Eg. 其《そ》 | marks the start of a string of ruby-attached characters. Eg. 十三|年目《ねんめ》 [#...] explains the formatting of the original text. Eg. [#ここから3字下げ] ------------------------------------------------------- 何處へ 正宗白鳥著 目次 何處へ (四十一年一月―四月 早稻田文學)…………………一 玉突屋 (同 年一月 太 陽)………………………一三五 六號記事(同 年一月 文章世界)………………………一四三 彼の一日(同 年三月 趣 味)………………………一五九 五月幟 (同 年三月 中央公論)………………………一七三 村 塾 (同 年四月 中央公論)………………………二〇五 空想家 (四十年十 月 太 陽)………………………二二一 株 虹 (同 年十二月 新思潮)………………………二六九 凄い眼 (四十一年八月 太 陽)………………………二九一 世間並 (同 年七月 趣 味)………………………三一一 何處へ (一) 可愛《かあい》い目元《めもと》をほんのり酒《さけ》に染《そ》めた女《をんな》が高《たか》くさし掛《か》けた傘《かさ》の下《した》に入《はい》つて、菅沼健次《すがぬまけんじ》は敷石傳《しきいしづた》ひに門口《かどぐち》へ來《き》た。

版本规格

语言日本語
章节15 章
全书字数209,569 词
预计阅读约 17 小时 28 分钟
授权公有领域(Public domain)

以上为本书元数据与首章节选;完整正文见下方章节列表。

Summary

何處へ (四十一年一月―四月 早稻田文學)…………………一 玉突屋 (同 年一月 太 陽)………………………一三五 六號記事(同 年一月 文章世界)………………………一四三 彼の一日(同 年三月 趣 味)………………………一五九 五月幟 (同 年三月 中央公論)………………………一七三 村 塾 (同 年四月 中央公論)………………………二〇五 空想家 (四十年十 月 太 陽)………………………二二一 株 虹 (同 年十二月 新思潮)………………………二六九 凄い眼 (四十一年八月 太 陽)………………………二九一 世間並 (同 年七月 趣 味)………………………三一一

Chapters

1. Part 1

何處へ (四十一年一月―四月 早稻田文學)…………………一 玉突屋 (同 年一月 太 陽)………………………一三五 六號記事(同 年一月 文章世界)………………………一四三 彼の一日(同 年三月 趣 味)………………………一五九 五月幟 (同 年三月 中央公論)………………………一七三 村 塾 (同 年四月 中央公論)………………………二〇五 空想家...

2. Part 2

大抵《たいてい》の家《いへ》は戶《と》を鎖《とざ》し、暗闇《くらやみ》の森閑《しんかん》とした道《みち》を、健次《けんじ》は雜念《ざつねん》に煩《わづら》はされ、俯首《うつむ》いてコツ〳〵辿《たど》つてゐる。彼《か》れは七歲で先祖《せんぞ》以來《いらい》のこの都《みやこ》へ歸《かへ》つてより二十七|歲《さい》の今《いま》まで殆《ほと》んど一|日《にち》...

3. Part 3

健次《けんじ》は妻君《さいくん》に添《そ》うて博士《はかせ》を玄關《げんかん》に見送《みおく》り、その車《くるま》の後《あと》から自分《じぶん》も歸《かへ》らうとしたが、强《し》いて引留《ひきと》められて元《もと》の書齋《しよさい》へ舞戾《まひもど》り、母《はゝ》の傳言《でんごん》を慇懃《いんぎん》に述《の》べた。

4. Part 4

翌日《よくじつ》は日曜《にちえう》であれば、一|家《か》は遲《をそ》くまで眠《ねむ》り、九|時頃《じごろ》に茶《ちや》の間《ま》に揃《そろ》つて朝食《あさげ》の膳《ぜん》についた。近來《きんらい》健次《けんじ》が家族《かぞく》と一|緖《しよ》に食事《しよくじ》をするのは、殆《ほと》んど日曜《にちえう》の朝《あさ》のみである。年齡《とし》の割合《わりあひ...

5. Part 5

翌日《よくじつ》桂田《かつらだ》の家《いへ》で晚餐《ばんさん》をかねて小園遊會《せうゑんゆうくわい》が開《ひら》かれ、博士《はかせ》夫妻《ふさい》の親戚《みうち》の靑年《せいねん》男女《なんによ》、箕浦《みのうら》織田《おだ》等《とう》の家族《かぞく》、凡《すべ》て十|數名《すうめい》が招待《せうたい》された。健次《けんじ》もその一|人《にん》だが、生...

6. Part 6

「二|本《ほん》歸《がへ》り三つ!」と、ボーイは蟲《むし》の喰《く》つた出《で》つ齒《ぱ》を出《だ》して大聲《おほごゑ》で叫《さけ》んだ。彼《か》れは薄《うす》い座蒲團《ざぶとん》の上《うへ》に几帳面《きてうめん》に坐《すわ》つて、兩方《りやうはう》の袖《そで》を搔《か》き合《あは》せてゐる。年齡《とし》は十五六で、顏《かほ》は靑《あを》くて脹《は》れ...

7. Part 7

彼《か》れ――黑塚《くろづか》白雨《はくう》――は九|時《じ》に目《め》を醒《さ》ました。下女《げぢよ》の紙箒《はたき》の音《おと》が部屋《へや》の兩隣《りやうどなり》で騷々《さう〴〵》しく聞《きこ》える。電車《でんしや》の音《おと》がギイ〳〵耳《みゝ》に響《ひゞ》く。彼《か》れは今《いま》までうつら〳〵[#「うつら〳〵」に傍点]淺《あさ》い夢《ゆめ》...

8. Part 8

彼《か》れは小學校《せうがくかう》も二|年《ねん》で止《や》めた。繪畫《くわいぐわ》の敎育《けういく》など更《さら》に受《う》けたことがない。しかし何時《いつ》の間《ま》にか獨《ひと》りで工夫《くふう》して書《か》き出《だ》した。少《ちいさ》い時《とき》から棒切《ぼうつき》れで地上《ちじやう》に描《か》いたり、消墨《けしずみ》で板《いた》に描《か》いた...

9. Part 9

彼《か》れの宿《やど》の前《まへ》は欝蒼《うつさう》たる山《やま》、木樵《きこり》の斧《おの》の音《おと》も手《て》に取《と》るやうに聞《きこ》える。彼《か》れは開《あ》け放《はな》した部屋《へや》で飯《めし》を食《く》ひ、母《はゝ》への手紙《てがみ》を認《したゝめ》てゐると、「御勉强《ごべんきやう》ですか」と、靑脹《あをぶ》くれの背《せ》の高《たか》...

10. Part 10

或日《あるひ》同鄉《どうきやう》の友人《いうじん》葛原《くづはら》勇吉《ゆうきち》が訪《たづ》ねて來《き》て、盛《さか》んにこの宿《やど》を褒《ほ》め、「僕《ぼく》も少《すこ》し勉强《べんきやう》したいから、靜《しづ》かな家《うち》へ移《うつ》りたい、此家《こゝ》には置《お》いて吳《く》れんだらうか」と云《い》つたが、自分《じぶん》はこの男《をとこ》の...

11. Part 11

太平洋岸《たいへいやうがん》の激浪《げきらう》怒濤《どとう》、東北《とうほく》地方《ちはう》の荒凉《かうれう》たる光景《くわうけい》は見馴《みな》れてゐるが、これ等《ら》はどうも予《よ》の性《しやう》に合《あ》はぬ。それでこの秋《あき》は局面《きよくめん》を變《か》へて、瀨戶内海《せとないかい》の沿岸《えんがん》に寫生《しやせい》旅行《りよかう》をした...

12. Part 12

工場《こうぢやう》の奧《おく》に疊《たゝみ》を敷《し》いた一室《ひとま》がある。狹《せま》い一|方《ぽう》口《ぐち》で丁度《ちやうど》袋《ふくろ》のやうだ。滅多《めつた》に掃除《さうじ》もせねば隅々《すみ〴〵》には埃《ほこり》が積《つ》もり、壁《かべ》は一|體《たい》に黑《くろ》ずんでゐる。棚《たな》にある磨滅《まめつ》した活字《くわつじ》、開《ひら》...

13. Part 13

「加瀨《かせ》さんは本當《ほんと》にお柔《やさ》しいんで御座《ござ》いますね、それにお若《わか》い癖《くせ》によく何《なに》にでも氣《き》がお付《つ》きなさいますし」と、老婆《ばあさん》は指先《ゆびさき》で耳《みゝ》の後《うしろ》を撫《な》で〳〵、世間《せけん》話《ばなし》から加瀨《かせ》の噂《うはさ》に移《うつ》つた。 「暫《しば》らく會《あ》はん間...

14. Part 14

私《わたし》は學校《がくかう》の生徒《せいと》に人望《じんばう》のある方《はう》でもないが、敢《あえ》て不評判《ふひやうばん》でもない、職務《しよくむ》に精勤《せいきん》する方《はう》ではなく、病《やまひ》と稱《しやう》して缺席《けつせき》することも多《おほ》いが、免職《めんしよく》される程《ほど》怠《なま》けはせぬ。增給《ざうきう》も覺束《おぼつか》...

15. Part 15

當《あ》てにもしないが、萬一《まんいち》お樂《らく》が私《わたし》を尋《たづ》ねて來《く》るかも知《し》れんと心待《こゝろま》ちにすることもあつた。小山《こやま》は十日《とをか》も顏《かほ》を見《み》せぬ。 その中《うち》五|月《ぐわつ》は暮《く》れる。私《わたし》は豐島《とよしま》同居《どうきよ》が影響《えいきやう》して、月末《げつまつ》の拂《はら》...