何處へ

Part 15

Chapter 15 6,775 words Public domain Markdown

當《あ》てにもしないが、萬一《まんいち》お樂《らく》が私《わたし》を尋《たづ》ねて來《く》るかも知《し》れんと心待《こゝろま》ちにすることもあつた。小山《こやま》は十日《とをか》も顏《かほ》を見《み》せぬ。 その中《うち》五|月《ぐわつ》は暮《く》れる。私《わたし》は豐島《とよしま》同居《どうきよ》が影響《えいきやう》して、月末《げつまつ》の拂《はら》ひに困《こま》つた。豐島《とよしま》は君《きみ》と苦樂《くらく》を共《とも》にすると云《い》つて、汚《よご》れた衣服《きもの》を賣飛《うりと》ばしたが、それが幾何《いくら》にならう。で、寧《いつ》そ有《あ》るに甲斐《かひ》なき家《いへ》を疊《たゝ》んで下宿《げしゆく》をしようか、豐島《とよしま》を追出《おひだ》す口實《こうじつ》にもなるし、それにお靜《しづ》と手《て》を切《き》るに都合《つがふ》もよしと思《おも》ひ、そろ〳〵安下宿《やすげしゆく》の捜索《さうさく》を初《はじ》めた。或日《あるひ》も散步《さんぽ》を兼《か》ねて宿《やど》を捜《さが》すつもりで、電車《でんしや》に乗《の》つたが、思《おも》ひがけなく向側《むかうがは》に小山《こやま》がゐて、突如《だしぬけ》に、「君《きみ》大變《たいへんへん》な事《こと》が出來《でき》てね」と、目《め》を据《す》ゑ口《くち》を尖《とが》らせて云《い》つた。 「そうか」と、私《わたし》は何《なに》を仰山《げふさん》さうにと心《こゝろ》では思《おも》つてゐた。 「徒士町《おかちまち》の美人《びじん》が二人《ふたり》ともゐなくなつたよ、あの家《うち》で聞《き》いても何處《どこ》にゐるか分《わか》らないんだ、それに役所《やくしよ》へも行《い》かんらしいよ、餘程《よほど》變《へん》だよ」 「だが君《きみ》に知《し》らせんとは不思議《ふしぎ》だね、嫌《きら》はれたのか」 「何《どう》だかね、此頃《このごろ》聞《き》いたのだが、姉《あね》の方《はう》は隨分《ずゐぶん》曰《い》はくのある奴《やつ》で、色《いろ》んな男《をとこ》に關係《くわんけい》してたやうだがね」 「君《きみ》もその一人《ひとり》ぢやないか」 「だつて僕《ぼく》あ少《すこ》しも金《かね》を費《つか》はんからいゝさ」と、恍《とぼ》けた顏《かほ》をする。 「加瀨《かせ》も失望《しつばう》してるだらう」と、私《わたし》は加瀨《かせ》の悄氣《しよげ》た樣子《やうす》を想像《さう〴〵》して冷《ひやゝ》やかに笑《わら》つた。 「いや、あの男《をとこ》はそうでもない、あんな女《をんな》は幾《いく》らもあらあと澄《すま》してゝ、此頃《このごろ》は頻《しき》りに品川《しながは》の鳥屋《とりや》へ通《かよ》つてるよ」 と、云《い》つて、大聲《おほごゑ》で笑《わら》つて電車《でんしや》を下《お》りた。

私《わたし》はお樂《らく》の行衞《ゆくゑ》不明《ふめい》を愉快《ゆくわい》にも感《かん》じたが、又《また》何處《どこ》へ行《い》つて何《なに》をしてゐるか知《し》りたくも思《おも》つた。壓《をさ》へがたき一|種《しゆ》の好奇心《かうきしん》に驅《か》られて、わざ〴〵徒士町《おかちまち》の舊宅《きうたく》を訪《たづ》ねたが、妻君《さいくん》は猜疑《さいぎ》の目《め》で私《わたし》を見《み》て、「存《ぞん》じません」と卒氣《そつけ》ない返事《へんじ》をして、取《とり》つく島《しま》もない。その中《うち》私《わたし》は僅《わづ》かの家財《かざい》を賣拂《うりはら》つて、こつそり[#「こつそり」に傍点]市《いち》ケ谷《や》の下宿《げしゆく》屋《や》へ移《うつ》つた。豐島《とよしま》は別《べつ》に不平《ふへい》も云《い》はず空《から》つぽの古行李《ふるかうり》と古机《ふるづくゑ》とを持《も》つて出《で》て行《い》つた。豐島《とよしま》には離《はな》れ、止《や》むを得《え》ぬ些少《させう》の借金《しやくきん》は片付《かたづ》き、お靜《しづ》には住所《じうしよ》も知《し》らせねば、向《むか》うから訪《たづ》ねることも途絕《とだ》え、私《わたし》は以前《いぜん》の如《ごと》く靜《しづ》かな日《ひ》を送《おく》り、只《たゞ》小山《こやま》とのみ往來《わうらい》して、加瀨《かせ》の噂《うはさ》世《よ》の靑年《せいねん》の消息《せうそく》を語《かた》り合《あ》つては冷《ひや》かしたり嘲《あざけ》つたりして喜《よろこ》んでゐた。箱崎町《はこざきちやう》通《がよ》ひも元《もと》の通《とほ》り。

平坦《へいたん》な日《ひ》が暮《く》れて平坦《へいたん》な夜《よ》が明《あ》ける。煙草《たばこ》を吸《す》ひ湯《ゆ》を呑《の》んで幾《いく》時間《じかん》を過《すご》すことも多《おほ》い。痴鈍《ちどん》な長沼《ながぬま》の目《め》にも私《わたし》が不思議《ふしぎ》に見《み》えたのか或日《あるひ》敎員室《けうゐんしつ》で、 「君《きみ》は田舎《ゐなか》に家《いへ》があるんだから、敎師《けうし》なんかしないで、田舎《ゐなか》に歸《かへ》つたらいゝぢやないか」と眞面目《まじめ》でいつた。 「僕《ぼく》は田舎《ゐなか》を思《おも》ひ出《だ》してもぞつ[#「ぞつ」に傍点]とする、これで東京《とうきやう》に居《を》ればこそ、誰《だ》れが死《し》なうと病《わづ》らはうと、犬《いぬ》や猫《ねこ》と同樣《どうやう》に見《み》てゐられるんだが、田舎《ゐなか》はそういかんからね」 語調《ごてう》が銳《するど》かつたのか、長沼《ながぬま》は私《わたし》を見上《みあ》げて呆氣《あつけ》に取《と》られてゐたが、 「僕《ぼく》等《ら》はまだ老人《らうじん》でもないが、生活《くらし》が立《た》ちや田舎《ゐなか》へ引込《ひつこ》んで氣樂《きらく》に送《おく》りたいと思《おも》ふ、君《きみ》逹《たち》が都會《とくわい》にゐたがるのは、まだ一|家《か》の苦勞《くらう》を經驗《けいけん》せんからだ」 「十八番《おはこ》が始《はじ》まつたね」 と、私《わたし》は例《れい》の敎員《けうゐん》を尻目《しりめ》にかけた。長沼《ながぬま》は腕力《わんりよく》も俸給《ほうきう》も智識《ちしき》も私《わたし》に及《およ》ばぬが、只《たゞ》年齡《ねんれい》に於《おい》て一|日《じつ》の長《ちやう》があるので、どうかすると、「君《きみ》は若《わか》いからねえ」とか「まだ經驗《けいけん》が足《た》らんから」とか云《い》つて、僅《わづ》かに哀《あは》れなる自己《じこ》を主張《しゆちやう》してゐる。

私《わたし》は或時《あるとき》長沼《ながぬま》のために爭《あらそ》つた。校長《かうちやう》が彼《か》れを無能《むのう》として排斥《はいせき》しかけたのを遮《さへぎ》り、彼《か》れの爲《ため》に拳《こぶし》を握《にぎ》り目《め》を怒《いか》らせて辯護《べんご》した。私《わたし》の意見《いけん》は用《もち》ひられて無事《ぶじ》に收《おさ》まつたが、返事《へんじ》次第《しだい》で校長《かうちやう》を毆打《おうだ》せんとまで息込《いきご》んだのだ。長沼《ながぬま》は私《わたし》の俠骨《けふこつ》を喜《よろこ》び、下宿《げしゆく》へ來《き》て淚《なみだ》ながらに感謝《かんしや》した。しかし私《わたし》は深《ふか》い同情《どうじやう》から彼《か》れを擁護《えうご》したのではなくて、只《たゞ》氣《き》まぐれに過《す》ぎぬのであつた。退屈《たいくつ》さましの戯《たはむ》れに過《す》ぎぬのであつた。

(十三)

或日《あるひ》小山《こやま》はようやく「お樂《らく》の住所《じうしよ》が分《わか》つた」と、さも傲《ほこ》り顏《がほ》に私《わたし》に吿《つ》げた。 「何處《どこ》にゐる」 「芝《しば》四|國《こく》町《まち》二十三|番地《ばんち》、捜《さが》すのに困《こま》つたよ、學校《がくかう》へ行《い》つてたそうだがね、今《いま》はそれどころぢやない。大變《たいへん》困《こま》つてる、何《なん》でも姉《あね》が惡《わる》い男《をとこ》に引《ひつ》かゝつたので、妹《いもうと》の貯金《ちよきん》まで絞《しぼ》り取《と》られたらしいよ、それで姉《あね》は妹《いもうと》に離《はな》れて何處《どこ》かへ行《い》つて、お樂《らく》一人《ひとり》泣《な》きの淚《なみだ》で暮《く》らしてらあ、いゝ氣味《きび》さ、僕《ぼく》等《ら》を欺《だま》しやがつた天罰《てんばつ》だ」 「加瀨《かせ》が保護《ほご》して吳《く》れるだらう」 「なあに、加瀨《かせ》はもう結婚《けつこん》の準備《じゆんび》に忙《せわ》しいから、お樂《らく》のことは忘《わす》れてる」 「さうか、相手《あひて》は誰《だ》れだ」 「お楠《くす》、僕《ぼく》の從姉《いとこ》だ」 「ぢや加瀨《かせ》と君《きみ》とは親類《しんるゐ》になるんだね」と、私《わたし》はお楠《くす》のブク〳〵肥《ふと》つた身體《からだ》とおチヨボ口《ぐち》を思《おも》ひ浮《うか》べながら、 「加瀨《かせ》も方々《ほう〴〵》嗅《か》いで步《ある》いたが、つまりは手近《てぢか》い所《ところ》で間《ま》に合《あは》すんだね、」 「叔母《をば》は不賛成《ふさんせい》だつたが、まあ輕便《けいべん》でいゝさ」 と、小山《こやま》は利害《りがい》相關《あひくわん》せずと云《い》つた風《ふう》だ。 その夜《よ》私《わたし》は久振《ひさしぶ》りで加瀨《かせ》に手紙《てがみ》を送《おく》つた。 「もう結婚《けつこん》するさうだね、お目出度《めでたう》、御披露《ごひろう》の節《せつ》に僕《ぼく》も招《まね》いて吳《く》れ玉《たま》へ、吉例《きちれい》に謠曲《うたひ》くらゐ謠《うた》はうよ、兎《と》に角《かく》君《きみ》は羨《うらや》ましい、徴兵《ちやうへい》檢査《けんさ》が濟《す》むと、苦情《くじやう》も云《い》はずに結婚《けつこん》する、やがて子《こ》が生《う》まれるだらう、やがて君《きみ》の顏《かほ》に皺《しわ》が出來《でき》るだらう、」 加瀨《かせ》からの返書《へんしよ》は略《ほゞ》一尋《ひとひろ》もあつた。謹《つゝし》んだ手跡《しゆせき》で、さも考《かんが》へたらしい文句《もんく》に滿《み》ちてゐた。その中《うち》に 「結婚《けつこん》以前《いぜん》には、若《わかい》い女《をんな》の眼《め》は悉《こと〴〵》く僕《ぼく》に對《たい》して媚《こび》を呈《てい》してゐるやうに思《おも》はれたが、女房《にようぼ》が定《きま》つてからは、全然《まるで》態度《たいど》が一|變《ぺん》したやうに感《かん》ぜられる。瞳《ひとみ》の底《そこ》の方《はう》で冷《ひやゝ》かに笑《わら》ひながら、お前《まへ》さんはもう駄目《だめ》ですよ」と云《い》つてゐる。何《な》におれが女房《にようぼ》を貰《もら》つたかどうだか、見《み》ず知《し》らずの世間《せけん》の女《をんな》に解《わか》る譯《わけ》がない、氣《き》の所爲《せい》だと安心《あんしん》して見《み》るが、矢張《やはり》り『駄目《だめ》だ〳〵、白羽《しらは》の矢《や》は東片町《ひがしかたまち》の屋根《やね》の上《うへ》』と云《い》つてゐて相手《あひて》にしない」と云《い》ふ文句《もんく》があつて、終《をは》りに「君《きみ》よ、戀《こひ》すべし、結婚《けつこん》すべからず」と、世路《せろ》に老《を》いた人《ひと》の云《い》ひさうな文句《もんく》を添《そ》えてゐる。

私《わたし》は却《かへつ》て彼《か》れに飜弄《ほんろう》されたやうに感《かん》じてヂレた。彼《か》れは何時《いつ》までも太平《たいへい》である。道樂《だうらく》に仕事《しごと》をして道樂《だうらく》に世《よ》を逹觀《たつくわん》したやうな皮肉《ひにく》を云《い》つて、そして道樂《だうらく》に戀《こひ》をし結婚《けつこん》もしてゐる。 で、この時《とき》彼《か》れを冷笑《れせう》する勇氣《ゆうき》もなかつた。そしてこの一|夜《や》二三|年來《ねんらい》の反抗心《はんこうしん》の消《き》えて、何《なん》となく人懷《ひとなつ》かしくなつた。

今朝《けさ》からの梅雨《つゆ》が夕立《ゆふだち》模樣《もやう》になつて、向《むか》ひの屋根《やね》には水煙《みづけぶり》を立《た》て、激《はげ》しい音《おと》で降濺《ふりそゝ》いでゐるのに恐《おそ》れず、宿《やど》を飛出《とびだ》した。小山《こやま》の氣樂《きらく》な話《はなし》を聞《き》きたいのでもなく、お靜《しづ》の靑《あを》い顏《かほ》を見《み》たいのでもなく、只《たゞ》一圖《いちづ》に豐島《とよしま》に會《あ》ひたくなつた。彼《か》れの濡《うる》んだ目《め》を見《み》たい、彼《か》れの情熱《じやうねつ》の言葉《ことば》を聞《き》きたい。

正宗 定價六拾錢 著 紅塵(三版) 白鳥 郵稅八錢

明治四十一年十月十八日印刷 何處へ奧付 明治四十一年十月廿五日發行 定價八拾五錢

著作者 正宗白鳥 東京市麹町區飯田町六丁目廿四番地 不 許 發行者 西本波太 東京市小石川區久堅町百〇八番地 複 製 印刷者 山田英二 東京市小石川區久堅町百〇八番地 印刷所 博文館印刷所 ―――――――――――――――――― 東京市麹町區飯田町六丁目二十四 發行所 易 風 社 振替口座一二〇三四番

原文 一二三(目次) 訂正 一三五 原文 珈珈店《こーひーてん》(p. 3) 訂正 珈琲店《こーひーてん》 原文 良體《からだ》(p. 4) 訂正 身體《からだ》 原文 「如何《いか》にして(p. 5) 訂正 如何《いか》にして 原文 あらあね」、(p. 13) 訂正 あらあね」 原文 微錄《びろく》(p. 17) 訂正 微祿《びろく》 原文 武具《ぶく》(p. 18) 訂正 武具《ぶぐ》 原文 始《ほと》んど(p. 23) 訂正 殆《ほと》んど 原文 言葉《ことば》た(p. 25) 訂正 言葉《ことば》を 原文 被入《いらつら》やる(p. 29) 訂正 被入《いらつし》やる 原文 私《わわし》(p. 30) 訂正 私《わたし》 原文 壁《かべ》はは(p. 31) 訂正 壁《かべ》には 原文 暫《しばら》らく(p. 34) 訂正 暫《しば》らく 原文 外戶《そと》(p. 38) 訂正 戶外《そと》 原文 初《はじ》めて間(p. 39) 訂正 初《はじ》めの間 原文 堪《たゝ》へ(p. 40) 訂正 湛《たゝ》へ 原文 强《ひ》いて(p. 44) 訂正 强《し》いて 原文 程《ほど》でもないだけど(p. 45) 訂正 程《ほど》でもないんだけど 原文 頂《あづ》けんのです(p. 45) 訂正 頂《いただ》けんのです 原文 面白《おもしは》い(p. 45) 訂正 面白《おもしろ》い 原文 聞《きい》てゝても(p. 48) 訂正 聞《きい》てゝも 原文 見《み》たくなつたの」。(p. 49) 訂正 見《み》たくなつたの」 原文 お成《な》りなさいな」。(p. 49) 訂正 お成《な》りなさいな」 原文 云《い》ふですか(p. 51) 訂正 云《い》ふのですか 原文 出入《しゆつにい》(p. 52) 訂正 出入《しゆつにふ》 原文 健次《けんじ》などか(p. 52) 訂正 健次《けんじ》などが 原文 招《まぬ》かれる(p. 53) 訂正 招《まね》かれる 原文 一寸《ちよと》(p. 53) 訂正 一寸《ちよつと》 原文 定《さだ》る(p. 64) 訂正 定《さだ》まる 原文 聲《こゑ》をかける、(p. 65) 訂正 聲《こゑ》をかける。

原文 月初《つきはじ》で(p. 67) 訂正 月初《つきはじ》めで 原文 並《なら》べるか(p. 67) 訂正 並《なら》べるが 原文 記行《きこう》(p. 68) 訂正 紀行《きこう》 原文 洩《もら》らした(p. 70) 訂正 洩《も》らした 原文 酷《ひど》いは(p. 74) 訂正 酷《ひど》いわ 原文 如何《どう》にして(p. 74) 訂正 如何《いか》にして 原文 持《も》つてゝ(p. 81) 訂正 持《も》つてつて 原文 その宅《たく》を出《い》て(p. 83) 訂正 その宅《たく》を出《で》て 原文 上《あが》かるか(p. 84) 訂正 上《あ》がるか 原文 何《なに》だか(p. 86) 訂正 何《なん》だか 原文 兄《あに》さん(p. 86) 訂正 兄《にい》さん 原文 主婦《しうふ》(p. 89) 訂正 主婦《しゆふ》 原文 御馳走《ごちさう》なんか(p. 89) 訂正 御馳走《ごちそう》なんか 原文 叙情的《じよじやうきて》(p. 90) 訂正 叙情的《じよじやうてき》 原文 氣心《きこゞろ》(p. 91) 訂正 氣心《きごゝろ》 原文 やがで(p. 94) 訂正 やがて 原文 それには(p. 95) 訂正 それにね 原文 續《つゞ》けてやつけば(p. 96) 訂正 續《つゞ》けてやつてけば 原文 訴《うた》へる(p. 96) 訂正 訴《うつた》へる 原文 起上《おきあ》つた(p. 99) 訂正 起上《おきあが》つた 原文 咳《つぶや》いた(p. 101) 訂正 呟《つぶや》いた 原文 滅入《めつい》つた(p. 101) 訂正 滅入《めい》つた 原文 話《はな》を(p. 103) 訂正 話《はなし》を 原文 躊躇《ちうよよ》(p. 106) 訂正 躊躇《ちうちよ》 原文 以前《いせん》(p. 107) 訂正 以前《いぜん》 原文 移《う》つてる(p. 108) 訂正 移《うつ》つてる 原文 焦慮《ぢれ》で(p. 108) 訂正 焦慮《ぢれ》て 原文 終始《しゞう》(p. 111) 訂正 終始《しゆうし》 原文 欺《あざ》いて(p. 111) 訂正 欺《あざむ》いて 原文 働《はた》く(p. 112) 訂正 働《はたら》く 原文 女供《をんなども》(p. 115) 訂正 女共《をんなども》 原文 土古耳《とるこ》(p. 117) 訂正 土耳古《とるこ》 原文 何《なん》んだつて(p. 117) 訂正 何《な》んだつて 原文 「目《め》を細《ほそ》く(p. 119) 訂正 目《め》を細《ほそ》く 原文 駄目《だめ》だ」。(p. 120) 訂正 駄目《だめ》だ」 原文 考《かん》へて(p. 123) 訂正 考《かんが》へて 原文 兄《あに》さん(p. 125) 訂正 兄《にい》さん 原文 身分《じぶん》(p. 129) 訂正 自分《じぶん》 原文 麥酒て《びーる》(p. 132) 訂正 麥酒で《びーる》 原文 閾《しきみ》(p. 133) 訂正 閾《しきゐ》 原文 靑《あほ》くて(p. 135) 訂正 靑《あを》くて 原文 縦橫無盡《じゆうわうむじゆん》(p. 135) 訂正 縦橫無盡《じゆうわうむじん》 原文 癩《しやく》(p. 139) 訂正 癪《しやく》 原文 兩手《れうて》(p. 140) 訂正 兩手《りやうて》 原文 詮方《せんたか》(p. 141) 訂正 詮方《せんかた》 原文 打《うた》たれる(p. 143) 訂正 打《う》たれる 原文 入被《いらつし》やい(p. 146) 訂正 被入《いらつし》やい 原文 甲裴《かひ》(p. 150) 訂正 甲斐《かひ》 原文 恐《こは》うであしてね(p. 155) 訂正 恐《こは》うごあしてね 原文 忰《がれれ》(p. 155) 訂正 忰《せがれ》 原文 ずり込《こ》んて(p. 159) 訂正 ずり込《こ》んで 原文 出《で》で(p. 162) 訂正 出《で》て 原文 異《ちが》つたものんだね(p. 164) 訂正 異《ちが》つたものだね 原文 言葉《ことば》少《すく》ない(p. 168) 訂正 言葉《ことば》少《すく》なに 原文 突込《つきこ》み。(p. 168) 訂正 突込《つきこ》み、 原文 堆積《せきたい》(p. 171) 訂正 堆積《たいせき》 原文 二十歲《はなち》(p. 178) 訂正 二十歲《はたち》 原文 賑《にぎ》やがた(p. 181) 訂正 賑《にぎ》やかだ 原文 切《き》られるぞ」。(p. 187) 訂正 切《き》られるぞ。」 原文 隱《か》くし(p. 187) 訂正 隱《かく》し 原文 見廻《みまは》ず(p. 189) 訂正 見廻《みまは》す 原文 怠《だ》くて(p. 190) 訂正 怠《だる》くて 原文 止《や》んだか(p. 193) 訂正 止《や》んだが 原文 明《あかる》るく(p. 193) 訂正 明《あか》るく 原文 大床胡《おほあぐら》(p. 201) 訂正 大胡床《おほあぐら》 原文 眺《なが》めめて(p. 202) 訂正 眺《なが》めて 原文 捨《ひろ》つた(p. 203) 訂正 拾《ひろ》つた 原文 吉公《きちまつ》(p. 204) 訂正 吉松《きちまつ》 原文 口眞似《にちまね》(p. 209) 訂正 口眞似《くちまね》 原文 先《さき》き(p. 209) 訂正 先《さき》 原文 逹公《たつこう》な(p. 210) 訂正 逹公《たつこう》は 原文 顏《かほ》か(p. 211) 訂正 顏《かほ》が 原文 暇《ひま》があれが(p. 211) 訂正 暇《ひま》があれば 原文 聞《き》かせます(p. 216) 訂正 聞《き》かせます。

原文 娘《むすめ》さんか(p. 224) 訂正 娘《むすめ》さんが 原文 どうでず(p. 227) 訂正 どうです 原文 缺《か》げた(p. 230) 訂正 缺《か》けた 原文 貴下方《あなたがた》も(p. 231) 訂正 「貴下方《あなたがた》も 原文 世態話《しよたいばはし》(p. 235) 訂正 世態話《しよたいばなし》 原文 因《こま》つて(p. 235) 訂正 困《こま》つて 原文 立《た》つだけても(p. 240) 訂正 立《た》つだけでも 原文 勤《すゝ》めた(p. 243) 訂正 勸《すゝ》めた 原文 仰《あふ》せつかたつて(p. 246) 訂正 仰《あふ》せつかつて 原文 尊敬《そんけい》してるんでず(p. 247) 訂正 尊敬《そんけい》してるんです 原文 僕《ぼく》も(p. 255) 訂正 「僕《ぼく》も 原文 書《か》きかけゐる(p. 256) 訂正 書《か》きかけてゐる 原文 後園《こうえん》(p. 256) 訂正 公園《こうえん》 原文 それ白面《おもしろ》もからう(p. 259) 訂正 それも面白《おもしろ》からう 原文 渦中《くわちうゆ》(p. 259) 訂正 渦中《くわちゆう》 原文 經《た》える(p. 264) 訂正 絕《た》える 原文 山吹町《やまぶしちやう》(p. 266) 訂正 山吹町《やまぶきちやう》 原文 て、自分《じぶん》は(p. 264) 訂正 で、自分《じぶん》は 原文 始《はじ》ある(p. 274) 訂正 始《はじ》める 原文 取立《とりて》て(p. 279) 訂正 取立《とりた》て 原文 自身《じゝん》には(p. 279) 訂正 自身《じゝん》も 原文 のこ男《をとこ》(p. 281) 訂正 この男《をとこ》 原文 育《そだ》て上《あ》けて(p. 281) 訂正 育《そだ》て上《あ》げて 原文 險幕《けんまく》(p. 282) 訂正 劍幕《けんまく》 原文 籠《こも》つてるのでもないか、(p. 282) 訂正 籠《こも》つてるのでもないが 原文 睨《にら》みつけてゐたか(p. 284) 訂正 睨《にら》みつけてゐたが 原文 散步《さんぽ》して入《いら》しつたんですが(p. 284) 訂正 散步《さんぽ》して入《いら》しつたんですか 原文 嘲《あざ》げつてる(p. 286) 訂正 嘲《あざ》けつてる 原文 梅雨《つゆ》て(p. 291) 訂正 梅雨《つゆ》で 原文 脫《ぬ》いて(p. 297) 訂正 脫《ぬ》いで 原文 持上《もちあ》けて(p. 300) 訂正 持上《もちあ》げて 原文 金《かね》たか(p. 302) 訂正 金《かね》だが 原文 襲《おそ》ばれて(p. 302) 訂正 襲《おそ》はれて 原文 門札《もんさつ》か(p. 312) 訂正 門札《もんさつ》が 原文 加瀨《せせ》(p. 314) 訂正 加瀨《かせ》 原文 さんだ(p. 315) 訂正 さんざ 原文 御存知《ごぞんじ》じなんですね(p. 319) 訂正 御存知《ごぞんじ》なんですね 原文 「新奇《しんき》だといふ」(p. 336) 訂正 「新奇《しんき》だ」といふ。

原文 汗《あせ》ばんた(p. 338) 訂正 汗《あせ》ばんだ 原文 死際《しにぎは》まて(p. 339) 訂正 死際《しにぎは》まで 原文 來《き》たのぢないか(p. 340) 訂正 來《き》たのぢやないか 原文 濃《こい》い(p. 324) 訂正 濃《こ》い 原文 誰《だ》か(p. 354) 訂正 誰《だれ》か 原文 衣食《いしよく》の慾《よく》と少《すくな》く(p. 348) 訂正 衣食《いしよく》の慾《よく》は少《すくな》く 原文 ですけと(p. 354) 訂正 ですけど 原文 フロツツコート(p. 360) 訂正 フロツクコート 原文 飄輕《ひやうひん》な眞似《まね》(p. 362) 訂正 飄輕《ひやうきん》な眞似《まね》 原文 子供《こども》ぢまありませんか(p. 363) 訂正 子供《こども》ぢやありませんか 原文 嗅《か》く(p. 366) 訂正 嗅《か》ぐ 原文 朝《あさ》かぬ(p. 369) 訂正 朝《あさ》から 原文 居《ゐ》らつしやるんてすつてね(p. 374) 訂正 居《ゐ》らつしやるんですつてね 原文 なるものてすか(p. 374) 訂正 なるものですか 原文 尋《たづ》ぬて(p. 377) 訂正 尋《たづ》ねて

下宿 貧乏 「こと」 句読点は原則として原著のそれを維持したが、カギ括弧を閉じた後に読点「、」が振られている場合は、誤植とみなして読点を省いた。 「空想家」では「山吹町」と「山伏町」が混在しているが、そのままにした。

原文で印刷の不明瞭な部分、誤植と思われる部分は一九八三年刊行正宗白鳥全集第一巻(福武書店)を参照し確認したうえで訂正した。

片仮名の「ネ」をあらわす漢字の「子」に似た字は「ネ」の字で代用した。