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Category: Novels

お目出たき人

自分は我儘な文藝、自己の爲めの文藝と云ふやうなものヽ存在を是認してゐる。この是認があればこそ自分は文藝の士にならうと思つてゐる。されば自分の書いたものヽ價値は讀者の自分の個性と合奏し得る程度によつて定るのである。從つて自分の個性と合奏し得ない方には自分は自分のかいたものを買ふことも讀むことを要求する資格のないものである。表紙の畵は友人有島壬生馬氏の厚意になつた。厚く御禮する。口繪はクリンゲルのエツチング集インテルメチーの序畵である。(著者)

试读(第一章节选)

Produced by Sachiko Hill and Kaoru Tanaka. (This file was produced from images generously made available by Kindai Digital Library) Title: お目出たき人 (Omedetaki hito) Author: 武者小路実篤 (Saneatsu Mushanokoji) Notes on the signs in the text 《...》 shows ruby (short runs of text alongside the base text to indicate pronunciation). Eg. 其《そ》 | marks the start of a string of ruby-attached characters. Eg. 十三|年目《ねんめ》 [#...] explains the formatting of the original text. Eg. [#ここから3字下げ] ------------------------------------------------------- お目出たき人 武者小路実篤著 高島平三郎先生に この小冊子を 千の感謝を以て奉る。 自分は我儘な文藝、自己の爲めの文藝と云ふやうなものヽ存在を是認してゐる。この是認があればこそ自分は文藝の士にならうと思つてゐる。されば自分の書いたものヽ價値は讀者の自分の個性と合奏し得る程度によつて定るのである。從つて自分の個性と合奏し得ない方には自分は自分のかいたものを買ふことも讀むことを要求する資格のないものである。表紙の畵は友人有島壬生馬氏の厚意になつた。厚く御禮する。口繪はクリンゲルのエツチング集インテルメチーの序畵である。(著者) 目次 お目出たき人…………………………一 附錄 二人……………………………………一四九 無知萬歲………………………………一七四 生れなかつたら?……………………一八二 亡友……………………………………一九○ 空想……………………………………一九九 お目出たき人 一 一月二十九日の朝、丸善に行つていろ〳〵の本を捜した末、ムンチと云ふ人の書いた『文明と敎育』と云ふ本を買つて丸善を出た。出て右に曲つて少し來て四つ角の所へ來た時、右に折れやうか、眞直ぐ行かうかと思ひながら一寸と右の道を見る。

版本规格

语言日本語
章节3 章
全书字数48,306 词
预计阅读约 4 小时 2 分钟
授权公有领域(Public domain)

以上为本书元数据与首章节选;完整正文见下方章节列表。

Chapters

1. Part 1

自分は我儘な文藝、自己の爲めの文藝と云ふやうなものヽ存在を是認してゐる。この是認があればこそ自分は文藝の士にならうと思つてゐる。されば自分の書いたものヽ價値は讀者の自分の個性と合奏し得る程度によつて定るのである。從つて自分の個性と合奏し得ない方には自分は自分のかいたものを買ふことも讀むことを要求する資格のないものである。表紙の畵は友人有島壬生馬氏の厚意...

2. Part 2

一日として鶴のことを考へない日はなかつた。自分には鶴と一緖になつて始めて全人間《ホールのにんげん》たることが出來るやうに思へた。何かかくにつけ、讀むにつけ、見るにつけ鶴が居たらと思ふ。嬉しい時も淋しい時も悲しい時も、美しいものを見る時も、甘味《うま》いものを食ふ時も鶴と一緖だつたらと思ふ。

3. Part 3

『自分がもし生れなかつたら?』 かう中田豊男が考へたら頭がむしやくしやしてきた。豊男は自分の生れてきたことは偶然のことを萬を萬乘した程經驗してきたことヽ考へてゐる、豊男には自分の生れたことが奇蹟のやうに思はれるのである。しかし生れなかつた自分を想像することは豊男には出來ないのである、生れぬ前は自分ではない。いや母の腹に宿らぬ前は自分ではない、自分と云ふ...