第三章
The Wealth of Nations (1776) by Adam Smith (1723-1790) アダム・スミス「国富論」大河内一男監訳 中公文庫
Society in Rome under the Caesars (1888) by William Ralph Inge (1860-1954) イングは神学者で、セント・ポール大聖堂の主任司祭だった。ペシミスティッ クな思想の持ち主で「憂鬱な主任司祭」と呼ばれた。本書はローマ帝国の文化・ 社会を詳説したもの。
The Statesman's Year Book 世界各国の政治、経済、文化の状況を報告するもので、一八六三年からイギリ スで出版され続けている。
The Letters of Queen Victoria (in three volumes) (1907) edited by Arthur Christopher Benson and Viscount Esher ヴィクトリア女王 (1819-1901) は帝国を広げていった時期のイギリスの象徴 で、膨大な手紙と日記を残している。最盛期のイギリスに君臨した女王が時に は断固とした意見を述べ、時には女としての胸の内を語る。
On a Slow Train Through Arkansaw (1903) by Thomas William Jackson (1867-1934) I'm From Texas, You Can't Steer Me (1907) by Thomas William Jackson (1867-1934) 女、ユダヤ人、黒人、アイルランド人などに対する差別的でくだらないジョー ク集。タイトルに意味はない。
Brann the Iconoclast (1919) by William Cowper Brann (1855-1898) ブランは人種偏見と独善的な意見で知られたアメリカのジャーナリスト。バプ テスト派の大学を攻撃し、大学の支持者に撃たれたが、死ぬ前に銃を奪って相 手も殺してしまった。本書は彼の著作集。
Tom Jones (1749) by Henry Fielding (1707-1754) ヘンリー・フィールディング「トム・ジョウンズ」朱牟田夏雄訳 岩波文庫
Causeries du lundi (1851-1862) by Charles Augustin Sainte-Beuve (1804-1869) サント・ブーヴ「月曜閑談」土井寛之訳 富山房
St. Agnes' Eve (1819) by John Keats (1795-1821) ジョン・キーツ「新訳キーツ詩集」高島誠訳 彌生書房
Over Bemerton's, an easy-going chronicle (1908) by Edward Verrall Lucas (1868-1938) ブエノス・アイレスからロンドンに戻り、古本屋の二階に下宿する五十五歳の 独身男を主人公にしたロマンス。本屋で働きながら教養を身につけた作家のもっ とも有名な作品。「幽霊書店」と同じように物語の中でさまざまな書籍の紹介 をしている。
Tribune Primer (1882) by Eugene Field (1850-1895) 作者はアメリカのジャーナリストで子供向けの詩を書いた。本書は子供向けの 初等読本の文体で書かれたスケッチ集である。詩にもスケッチにもナンセンス な味わいがあって楽しい。ちなみに本章に出てくる「書物の喜び」 "biblio-bliss" という言葉は、十八世紀イギリスの書誌学者 Thomas Frognall Dibdin が登場する Field の詩 "Dibdin's Ghost" からきているのだろう。
Archy by Don Marquis (1878-1937) ドン・マーキスはゴキブリ・アーチーの詩で有名なユーモア作家。一九一六年 から新聞に連載され、ジョージ・メリマンのイラストと共に archy and mehitabel (1927) 以下数冊にまとめられている。ミフリンが引用している詩は The Old Soak and Hail and Farewell (1921) に収められている。
Love in the Valley (1878) by George Meredith (1828-1909) 「エゴイスト」や「リチャード・フェヴェレルの試練」を書いたメレディスは 漱石にも影響を与えた小説家・詩人。本作は恋心と自然描写が精妙に融け合う 彼の詩の代表作。
The Nigger of the Narcissus (1897) by Joseph Conrad (1857-1924) 「ナーシサス号の黒人」高見幸郎訳(筑摩書房 世界文学大系86所収)
Christmas Stories by Charles Dickens (1812-1870) 1857年から1867年までに書かれた短編二十編を納める。第四章でロジャーが朗 読する「だれかの手荷物」(1862) もこの中に含まれる。
The Wrong Box (1889) by R. L. Stevenson (1850-1894) ロバート・ルイス・スティーヴンソン「箱ちがい」千葉康樹訳 国書刊行会
Travels with a Donkey (1879) by R. L. Stevenson (1850-1894) ロバート・ ルイス・スティーヴンソン「旅は驢馬をつれて」吉田健一訳 岩波書店
The Four Horsemen of the Apocalypse (1916) by Vicente Blasco Ibanez (1867-1928) 第一次大戦中に書かれた長大な反戦小説で、美男俳優ヴァレンチーノが主演す る映画 (1921) にもなった。黙示録の四騎士とは死、疫病、戦争、飢饉のこと で、これが今でも世界中を駆けめぐっている。
Walking-Stick Papers (1918) by Robert Cortes Holliday (1880-?) 軽妙な筆致の随筆集。作者によると、日本人(といっても明治時代の日本人だ) は書店主に恐れられていたらしい。三文小説には決して手を出さず、よく分か らない英語で、入手困難な哲学や政治の専門書を求めるからだそうだ。
Jo's Boys (1886) by Louisa May Alcott (1832-1888) ルイザ・メイ・オルコット「第四若草物語 ジョーの少年たち」吉田勝江訳 角川文庫
The Lays of Ancient Rome (1842) by Thomas Babbington Macaulay (1800-1859) マコーレーは詩人で歴史家で政治家。本書は古代ローマの英雄をうたったバラッ ド集。「この世にあるものには 必ず死が訪れる ならば何よりも良い死に方 は 強き敵に立ち向かうこと 自らの父の霊のために 自らの神の神殿のため に」
Austin Dobson (1840-1921) ドブソンはイギリスの詩人でエッセイスト。ちょっと俗っぽいところもあるが、 軽やかな調子のエレガントな詩を書いている。
Whispers about Women (1906) by Leonard Merrick (1864-1939) パリでボヘミアン的な生活を営む芸術家や芸人たちの滑稽なエピソード集。ジョ ージ・オーウェルが Good Bad Books の中で、二流には違いないが、それなり に誠実さがあって小説の本質や、その衰亡の理由についてなにがしかを語って くれる小説家の一人と言っている。
The Dynasts (1903-1908) by Thomas Hardy (1840-1928) ナポレオン戦争を描いた壮大な詩劇。庶民、軍人、精霊たち、総勢百名以上が、 宇宙を支配する盲目的な力に翻弄されながら、ヨーロッパや天界を舞台に一大 パノラマを展開する。