# 幽霊書店

## 第十章

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The Wishing-Cap Papers (1873) by Leigh Hunt (1784-1859) 作者は進歩的な雑誌 The Examiner を創刊し、随筆や批評を各新聞に書いてい たジャーナリストである。本書は彼の軽妙な随筆集。

Philip Dru (1912) by Edward Mandell House (1858-1938) 富が少数者に集中する不公平なアメリカに不満を持つ若き軍人フィリップ・ド ルーが、視力を失ったことをきっかけに、社会改革活動に身を投じる。小説と してはごく稚拙なもの。作者は民主党の「陰の大物」で、第一次大戦中ウィル ソン大統領の相談役を演じた。

The Flying Inn (1914) by G.K. Chesterton (1874-1936) 一種の禁酒法がイギリスで施行され、それに反発した二人の男がラム酒を積ん だ荷車を牽いて田舎を放浪する。作者は自分の著作の中でいちばん書くのが楽 しかったと言っている。ミフリンがいうように、作中には「お茶は東洋人だが すくなくとも紳士だ ココアはげすの卑怯者 ココアは野卑な犬畜生」とい う詩がある。

Leaves of Grass (1855-1892) by Walt Whitman (1819-1892) ウオルト・ホイットマン「草の葉」酒本雅之訳 岩波文庫

The Anatomy of Melancholy (1621) by Robert Burton (1577-1640) 当時の流行病、憂鬱症の症状や治療法を述べた学問的な医学書だが、あらゆる 分野から関係する引用を並べ立てた雑学の本でもある。

Incident of the French Camp by Robert Browning (1812-1889) 少年兵が胸に致命傷を負っているにもかかわらず、ラティスボン陥落の知らせ をナポレオンにもたらし、彼に見守られ死んでいくという短い詩。ミフリンが 「ねずみ云々」といっているのはラティスボン "Ratisbon" の "Rat" に引っか けた洒落。

History of Frederick the Great (1858-65) by Thomas Carlyle (1795-1881) オーブリーが「カーライルはドイツびいきだった」といっているが、確かにド イツ哲学・文化の影響を大きく受けていた。また民主主義を嫌い、英雄を崇拝 したためか、本書はヒトラーのお気に入りだったという。

